[Wadify #15] 「クラウドファンディングで事業の可能性を確認し、起業まですることができました。」エイドロン
ワディファイとは?
「奇跡は、奇跡のようにやってくるものではない。」
クラウドファンディングに成功したメイカーたちの成功ストーリーを一つひとつ集め、Wi-Fiのように広く発信することで、新しいメイカーたちに新たな奇跡を贈りたいと考えています。

「クラウドファンディングのおかげで、美術教育ボランティアチームだった私たちが起業に挑戦することができました。
クラウドファンディングがなければ、子どもたちの絵や物語が、これほど多くの人々に愛されるとは思えなかったでしょう。」
子どもたちの想像力や物語をデザインに込め、再び子どもたちに還元するブランドがあります。大学の美術教育ボランティアチームとしてスタートし、いつの間にか創業2年目を迎える企業へと成長した「エイドロン」です。wadizで8回のクラウドファンディングを実施し、8回すべてで成功を収め、100%の成功率を誇るエイドロンに直接お話を伺いました!
第1章. エイドラン創業記

wadiz:はじめまして。まずはメイカーの皆様のご紹介をお願いします。
エイドロン:こんにちは、エイドロンの共同代表、キム・ジミンとチェ・ジェウンです。高校時代、美術大学受験の準備をしていた美術学院で初めて出会い、一緒に起業することになりました。
ユニークなご縁ですね。起業に至った経緯を教えてください。
最初から起業しようと思っていたわけではありませんでした。最初は美術教育のボランティアチームとしてスタートしました。デザインを専攻する学生たちが集まり、「子どもたちと一緒にデザインをしてみよう」という考えで結成したチームでした。子どもたちに美術を教えながら、製品を作れるのではないかと思うようになり、2015年に初めてwadizでのクラウドファンディングで資金を集め、最初の製品を発売しました。

そうして進めた1回目、2回目のクラウドファンディングの反響はどちらも良かったです。その時ちょうど4年生で、可能性を確認できたので、事業化の準備をしなければという気持ちが湧いてきました。支援を受けられる機関に公募して事業支援も受け、起業教育も受けながら、2016年末にデザインブランドとして起業しました。
最初から起業を目的として始めたわけではなかったのですね。それだけ試行錯誤も多かったことでしょう。
契約書の作成から採用に至るまで、困難なことの連続でした。製品を製造するために工場と契約する際も、「社長は良い方だから、任せておけばうまくやってくれるだろう」と考えて契約書も書かずに進めたところ、突然連絡が途絶えてしまったこともありました。時間が経つにつれて、だんだんコツを掴めるようになってきた気がします。
そんな時、お二人は互いに支え合っていたことでしょう。今は他のチームメンバーもいますか?
現在は私たち二人と、美術教育を統括してくださる方、マーケティング担当の方を含め、計4人で働いています。
第2章. エイドランの成長記
エイドランの主力商品は、子どもたちの物語をデザインに落とし込んだファッショングッズです。もう少し詳しく説明していただけますか?
自社教育チームと共に、月に一度、定期的な美術教育ボランティアを行っています。専門の芸術講師の方々と子どもたちを1対1でマッチングさせ、会話を交わしながら絵を描いて完成させます。授業が終わると、講師の方々が私たちに、子どもたちと交わした会話の内容を記録して送ってくれます。その中から、商品化できるストーリーを選び出してデザインするのです。
子どもたちの想像力をデザインとして表現する作業だと言えるでしょうね。ある意味、子供っぽくなりやすいアイテムです。これを商品価値のある製品に仕上げるまでには、多くの努力が必要だと思います。
最初に製品を作ってクラウドファンディングを行った頃は、子供たちの絵をそのまま使っていました。子供たちが描いた絵も、素敵な製品として生まれ得ることを示したかったからです。しかし、製品を作るにつれて限界を感じました。そこで、子供たちが描いた作品だけに頼るのではなく、絵を描きながら交わす会話や考えも一緒に活用してみることにしたのです。

ジュライバッグ
今年6月に発売した「ジュライバッグ」がその始まりでした。 子どもたちの物語をパターンとしてデザインし、そのパターンを製品に施すという試みを初めて行った商品でした。幸いにもジュライバッグのクラウドファンディングは成功し、その勢いに乗って、今回はパターンを全面に採用した「パターンバッグ」を発売しました。既存の商品にパターンをアクセントとして取り入れたジュライバッグに比べると反響は控えめでしたが、エイドランがどのような活動をしているのかを深く理解してくださる方が増えました。
wadizだけでも、数多くのデザインプロジェクトが登場しています。デザインビジネスにおいて、あるブランドは突然注目を浴びたり、あっという間に忘れ去られたりすることもありますよね。パターン化デザインやコラボレーションなどの取り組みは、こうした現実を乗り越える方法の一つなのではないでしょうか?
ルイカトーズ×エイドロン
はい、その通りです。私たちは今後も、子どもたちの物語を活かして、他のブランドとは一線を画した姿をお見せしていきたいと思っています。クラウドファンディングを通じてお客様の反応を確認しながら、ゆっくりと前進しているところです。
現在もその一環として、GSカルテックスやロッテワールドとパターンコラボを進めています。来年は、より多くの方に「エイドラン」というブランドとエイドランの考えを知っていただけるよう、より積極的なコラボ活動を展開していくつもりです。
収益の一部は、継続的に美術教育ボランティアに充てられていると伺いました。
美術教育ボランティアチームとして活動を始めた当初から続けてきた取り組みを、今も着実に続けています。エイドランが重要視しているのは「継続的な」情緒教育だったからです。「一方的にやめない」というモットーのもと、2つの施設で30人の子どもたちと共に教育を行っています。収益の一部を講師料やボランティアの方々の管理費に充てています。
何事も、始めることよりも継続することの方が難しいですよね。費用の負担を覚悟しながらも、教育ボランティアを続けている理由はあるのでしょうか?
最初は漠然と、「子どもたちが美術教育を受けられたらいいんじゃないかな?」という考えから始めました。当初は、7人の子どもたちと3人のボランティアが一緒に絵を描くという、ありきたりな形式で進めていました。しかし、時間が経つにつれて、美術教育が持つ力を子どもたちを通じて実感するようになったんです。

子どもたちは絵を描く中で、自然と「正解はない」という事実を学びます。どんな絵を描いてもボランティアの方々が褒めてくれ、励ましてくれるので、自信がついてくるのです。その力をはっきりと感じたきっかけがありました。
授業の前はすごく内気だった子がいたのですが、何度か授業を重ねるうちに、ボランティアたちに遠慮なく自分の言いたいことを話すようになったんです。自分の絵や考えが間違っていると言う人がいないからです。そんな変化を直接経験したからこそ、より多くの子どもたちに美術教育のポジティブな力を、地道に伝えていきたいと思いました。
その願いの延長線上で、アートエデュサービスも誕生したのですね。
2015年から子どもたちと接する中で、同じコンテンツばかりを提供し続けるわけにはいかないので、地道に新しい教育コンテンツを開発してきました。こうして作り上げたコンテンツを活用し、今年初めからは一般の子どもたちを対象に教育も行いましたが、反応が良かったんです。
このプロセスがうまく構築されれば、保護者が自宅で直接子どもに美術を教えることができるだろうと考え、本格的にアートエデュサービスを立ち上げました。基本的な美術教育の概念ではなく、コンテンツを提案する形のサービスです。家庭では簡単に入手できない美術材料とともにガイドをお届けします。保護者が読み聞かせるだけで、私たちが直接行う教育と似たような体験ができます。
より多くの子どもを対象に事業を拡大したいという目的もありますが、継続的な美術教育のためには、毎回新しいコンテンツを開発するのと同様に、長期的なカリキュラムを用意しておくことが重要です。
より多くの子どもたちに美術教育を受ける機会を提供するために作り始めましたが、専門家と共にこのサービスを作り上げる過程で、私たち自身も大きく成長しました。子どもと一緒に過ごす大人にとっても、良い経験になると思います。
「正解はない」という事実を伝えることは、成長期の子供たちの情緒形成に特に役立つでしょうね。こうした社会的価値の創出と、デザイン会社としてのアイデンティティとのバランスをうまく保つのは、そう簡単ではないと思います。
そうですね。「見るだけで『きれい!』」と感じられるデザインを作りつつ、そこに込められたストーリーも一緒に伝えなければならないので、最近の言葉でいう「説明魔」になっているような気がします。
美術教育を通じて得られた子供たちの声に耳を傾け、それを製品として形にするというビジネスモデルは、これまでになかったものなので、多くの方にはまだ馴染みが薄いようです。それでも着実にクラウドファンディングを進めているおかげで、エイドランの意図を理解してくださる方が徐々に増えてきていて、本当にありがたいです。
第3章. エイドランのクラウドファンディング記
それでは、クラウドファンディングの話をしてみたいと思います。今回実施した『パターンバッグ』まで、計8つのプロジェクトを公開し、すべて成功させましたね。初めてクラウドファンディングを行った理由と、今の理由は少し違うような気がします。
最初のクラウドファンディングは、キャンペーン的な性格が強かったです。制作費を除いたすべての収益を、子どもたちの名前で全額寄付したからです。施設にいる子どもたちが、ただ助けを受けるだけでなく、誰かの役に立てる存在でもあるということを伝えたかったのです。
今はそれよりも、子どもたちがどれほど楽しく、面白いストーリーを伝えられるかという、より前向きな視点から発信しようとしています。製品も単に社会的価値に焦点を当てるのではなく、他のデザインブランドと肩を並べて競えるクオリティで制作しています。
以前は「これ、かわいいから」「面白いから」という理由で始めましたが、今はクラウドファンディングを通じて、私たちが何を得たいのかを明確に目標として定めてから始めます。
一部では、アンコールクラウドファンディングがクラウドファンディングの本質を損なうというコメントもあります。資金や宣伝が切実に必要でクラウドファンディングを行うのではなく、すでに成功したメイカーが単なるマーケティング目的でクラウドファンディングを活用しているという文脈です。このようなコメントについて、どうお考えですか?
私たちは創業以来、毎回新しい製品でクラウドファンディングを行ってきました。前回のクラウドファンディングでサポーターの皆様からいただいたフィードバックを反映させ、製品を改善しているからです。自社のオンラインショップで販売する際は、お客様からのフィードバックを得るのが難しいんです。買って気に入らなければ、返金すればそれで終わりですから。

ところが、wadizのサポーターの方々は、きめ細やかにフィードバックをくださいます。初めて公開された製品を初めて手にしたわけですから、それに対してある種の責任感をお持ちのようですね。「使ってみるとこの部分が使いづらかったです。こういう部分は良かったです」といったコメントを伝えてくださるおかげで、毎回、より良い製品を作る上で大いに助けられています。そうしているうちに、新しい製品を作ると、まずwadizで公開することになります。
自社オンラインショップで直接販売することと、クラウドファンディングで資金を集めることには違いがありそうですね。
そうですね。オンラインショップで最も重要なのは価格です。私たちがどのような過程を経て、なぜこの製品を作ることになったのかというストーリーよりも、価格の方が重要になります。クラウドファンディングは逆ですね。この製品を誰と、どのように、なぜ作るようになったのかという過程をよりよくお伝えできるよう努めています。
プロジェクトはどのように宣伝されたのですか?
できることはすべて試すようにしています。SNSにこまめに投稿したり、製品のサンプルを提供したりもしています。やはり多額の費用をかけてマーケティングを行う状況ではないため、サポーターの方々が自発的にシェアしてくれるよう、イベントを主に活用しています。

「もうすぐ公開」機能の恩恵も大いに受けました。「もうすぐ公開」サービスがなかった頃は、事前に宣伝するのが難しかったんです。知人に「こんなプロジェクトをやっている」と先に知らせたくても、見せるものがなかったのですが、今は「もうすぐ公開」ページをシェアすれば済むので。
クラウドファンディング期間が長いからといって、それだけ多くの資金が集まるわけではありません。むしろ、もうすぐ公開される期間中に積極的に宣伝を行い、クラウドファンディング期間を短く設定する方が、メイカーにとっても負担が少なく、サポーターの立場からも配送期間が短縮されるというメリットがあると思います。
さすが8回のクラウドファンディングを成功させたプロメイカーならではの洞察ですね。その他に、これからメイカーを目指す方々に役立つヒントを教えていただけますか?
私たちの周りでも、「クラウドファンディングはどうやればいいのか」とよく聞かれます。メイカーになるには、大掛かりな事業体が必要だったり、斬新な製品がなければ不可能だと思われているようです。そこで私たちは、いつも「それほど難しくない」とお伝えしています。自分が作った製品と、その製品を作ることになった理由、作り上げていく過程を誠実に伝えれば、きっと理解してくれる方がいるはずだとお伝えしているんです。
また、多額のクラウドファンディングを集めるプロジェクトが増えているため、「300万ウォン程度しか集められないのに、すぐに埋もれてしまいそう」とお考えの方もいらっしゃいます。私たちも目標金額を低く設定しましたが、成功しました。ですから、あまり難しく考えずに、ぜひ挑戦してみてください。
wadizのクラウドファンディングを通じて、エイドランが得たものの中で最も意義深かったものは何でしょうか?
2015年の最初のクラウドファンディングストーリーで紹介されたエイドロン
エイドランを始められたこと。それ自体です。wadizでのクラウドファンディングを行っていなければ、子供たちの絵や物語が、多くの人々に愛されるようになるとは思えなかったでしょう。クラウドファンディングを通じてその可能性を直接確認できたからこそ、エイドランを続けていく力を得ることができました。
価値を生み出すメイカーと、その価値を見出してくれるサポーターが共に作り上げた結果ですね。最後に一言お願いします!
私たちはwadizのクラウドファンディングに大変お世話になったチームです。困難に直面したり、大きな決断を下さなければならない時、クラウドファンディングを通じて力を得て、確信を持つことができました。他のメイカーの方々も、クラウドファンディングを良い方向に活用して、素晴らしい結果を生み出してくださることを願っています。