伝統を現代の用途に合わせてデザインします。Maker ミミダル
誇り高きwadiz K-メイカーの第一弾の主人公、韓国の伝統に現代的な使い方を加えた伝統製品を作る「ミミダル」に会いました。韓国の伝統を基に新しいデザインの製品を作っているハン・サンミ代表にお会いし、インタビューを行いました。創業やクラウドファンディングの話を踏まえ、伝統を現代化することについてお話を伺いました。
ミミダルは
wadizで5回のクラウドファンディングを実施し、wadizを通じて3,588人のサポーターと出会いました。代表製品である高麗青磁シリーズは、クラウドファンディング終了後、国立中央博物館の公式グッズに選定され、約2ヶ月で2万個が販売されるほどの人気を博しました。
作品というよりは、商品を作りたいと思っていました。
- ミミダルのハン・サンミ代表の創業ストーリー

編集者(以下E):こんにちは。ハン・サンミ代表、お久しぶりです。3月にwadizが選ぶ代表的な女性起業家に選ばれ、イベントでお会いしましたが、それ以来、いかがお過ごしですか?
ミミダル ハン・サンミ(以下、ハン):新製品の準備で目まぐるしい毎日を送っています!チームメンバーが「ドタバタ・ミミダル」と呼ぶほど、毎日ドタバタと新しい製品を準備しているんです。高麗青磁のケースに続き、まもなく新しい高麗青磁ラインを発表する予定です。
今回は、ミミダルならではの新たな解釈を加えた文様で生地を織り上げ、ミミダルの感性がより一層反映された高麗青磁シリーズが登場する予定です。
Eインタビューを通じて代表のお話を初めて耳にする方もいらっしゃるかと思いますので、どのようにして伝統製品の制作を始めたのかから、お話を伺えたらと思います。 創業と伝統デザインは、どのようにして始めたのですか?
創業する前、「絶対に起業しなければならない」と決意して始めたわけではありませんでした。2017年頃、日本へ旅行に行ったのですが、日本では一般的な生活用品に伝統を取り入れたものが本当にたくさんありました。それがとても新鮮に感じられました。そこで、韓国にはどんな伝統製品があるのか、どのように作られているのか調べてみました。
やはり予想通り、日常生活で使える伝統製品はそれほど多くありませんでした。外国人向けの旅行のお土産や、冷蔵庫のマグネット、スノーボールなど、装飾用として使われているものが多かったんです。

ミミダルの「日月五峰図」ペンケース
韓国にも本当に素晴らしい伝統がたくさんあるのに、韓国人が日常生活の中で持ち歩けるような伝統製品が不足していると感じました。そこで、若い世代も気に入りそうな伝統的なデザインを、実用的なアイテムに取り入れて作り始めたんです。最初の試みが「日月五峰図」の筆箱で、製品製作後にクラウドファンディングを行いました。 3回ほどクラウドファンディングを行い、市場性を把握した上で、その後本格的に起業することになりました。
E大学で金属工芸を専攻されたと伺っています。伝統を用いて何かを作るというと、一般的に作品を作る作家さんを思い浮かべがちですが、作品ではなく製品を作るようになったのには、何か特別な理由があるのでしょうか?
大学在学中、商品企画のサークル活動をしていました。金属工芸科というと、手作業で作品を作ることを真っ先に思い浮かべると思いますが、私は作品よりも商品を作りたいと強く思っていました。私が考える「作品」とは、作家の考えが込められた媒体です。しかし、「商品」とは、他の人が必要としているものを作るプロセスですよね。私は、この二つでは考え方の向きが異なると考えています。 作品は作家の考えから始まり、商品は消費者のニーズから始まるからです。
私は自分の考えを他人に一方的に伝えるよりも 他人が必要としているものをキャッチし、それをどのような製品に作り上げたいかと考えました。 また、私が作った製品を人々が日常的に持ち歩き、実用的に使っている姿を見ると、大きな達成感を感じました。そこで、「自分だけのブランドを作らなければ」と思うようになりました。
クラウドファンディングに参加してくださったサポーターの方とは、何か強い絆があります。
- ミミダルのクラウドファンディングと成長の物語
E ミミダルは、ブランド戦略の面において、成長のためにクラウドファンディングをうまく活用しているブランドのように思います。wadizで計5回のクラウドファンディングを実施されましたが、最初の時と今とでは、クラウドファンディングの準備過程に変化はありましたか?
創業当初は、ミミダルをご存知の方が少なかったため、より多くの方にミミダルを知っていただくために 新製品が出るたびにクラウドファンディングを行っていました。 最初のクラウドファンディングの時は、キャンペーンを公開して、たくさんの人が訪れてくれたらいいなと思っていました。しかし、何度か経験するうちに、クラウドファンディングは最初から最後まで徹底的に企画し、計画に沿って戦略的に進めなければならない仕組みだと実感しました。私自身も5回のクラウドファンディングを通じて独自の知見を得て、もうすぐ公開予定のコンバージョン率などを確認しながら分析を行い、クラウドファンディングを設計するようになったと思います。
ミミダルが実施した4回のクラウドファンディング
Eミミダルの高麗青磁シリーズは、クラウドファンディング後に国立中央博物館の公式グッズに選定され、人気を博しましたね。そして最近では、BTSのメンバーが使用している写真が公開され、話題になりました。このように、クラウドファンディング後に変わった点が多かったと思います。
まず、クラウドファンディングの成果や製品をご覧になった多くの流通チャネルのMDの方々から、クラウドファンディング後に連絡をいただきました。また、多くのブランドから「一緒に何かやってみませんか」という提案もいただきました。現在は全国の 古宮ミュージアムショップやアイデアス、ホットトラックス、テンバイテン、YES24、カカオ・メイカーズなどのオンラインプラットフォームでミミダルの製品をお求めいただけるはずです。このようにクラウドファンディングを通じて機会を得ることができ、他のブランドとのつながりが生まれたという点が、最も大きく変わった点だと思います。
E すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、韓服を現代風にアレンジして制作しているブランド「ハプリ」とのコラボレーションも、私にとっては非常に新鮮に感じられました。ある意味、伝統を形作るという点で競合相手だと考えることもできるのに、コラボレーションを実現されたわけですから。このコラボレーションは、どのような意図で行われたのでしょうか?
ハプリとのコラボレーションプロジェクト
「伝統がこれほど新しく、美しいものになり得る」ということを、多くの方々に知ってもらいたかったんです。ミミダルが単独で発信するよりも、ハプリと一緒ならより効果的だと考えたからです。ハプリとのコラボレーションを通じて、ミミダルが得意とするアイテム(ポーチ)と、得意ではないアイテム(衣類)を一緒に披露できたのが良かったです。 まだミミダルは衣類を製作しているわけではありませんが、ハプリと共に「朝鮮の王の道袍トレンチコート&韓服シャツ」を製作することで、ミミダルのデザインを衣類に取り入れることができました。
E 制作結果も良好で、クラウドファンディングの面でも非常に良い成果でした。wadizでミミダルが出会ったサポーターは、なんと3,588人にも上ります。ご存知でしたか?(笑) その中で、高麗青磁シリーズが話題になった後に、再び連絡をくださったサポーターの方もいらっしゃるそうです。
ええ、その通りです。その際、「『日月五峰図』のペンケースのクラウドファンディングをしたことがありますが、ミミダルがうまくいっているのを見て嬉しい」とおっしゃって連絡をくださった方が多くいらっしゃいました。クラウドファンディングで出会ったサポーターの方々が、ブランドが成長していく過程を見守ってくれているような気がします。他のチャネルは商品を購入する場なので、「買って終わり」といった感じですが、クラウドファンディングを通じて出会った方々は、製品やブランドを長く覚えていてくださるんです。より長期的にブランドを見守ってくださったり、ブランドが成長していく過程を見て、一緒に喜んでくださいます。 ファン心と言うべきでしょうか?クラウドファンディングで出会ったサポーターの方たちとは、より深い絆で結ばれている気がします。
E 私もクラウドファンディングに参加すると、どうしてもそのブランドを見守ってしまう気がします。他の購入とは違って、クラウドファンディングの時は応援する気持ちになるんですよね。「100%、1000%、ぜひ達成してほしい!」という気持ちで。
伝統の美しさと現代的な使い勝手の狭間で、
伝統の価値を守りながら前進していきます
- K-メイカー「ミミダル」の現在と未来
E サポーターの皆さんがミミダルの魅力にすっかり夢中になれるように、ミミダルがブランドとして持つ差別化要因は何でしょうか?
ある伝統製品がここ数年で人気を博し、多くの方が伝統製品の制作を始めました。多くの方が伝統に関心を持ち、それが大衆化されていることは本当に嬉しいことだと思います。しかし、伝統を単に視覚的な側面だけで表現している方も、それだけ多いように感じます。 ミミダルは、製品を企画する際、伝統を視覚的にだけ消費することを避けようとしています。 単に高麗青磁の文様をそのまま取り入れて製品に施すのではなく、高麗青磁が持つ意味や歴史を込める制作手法を採用しています。

例えば、ミミダルの高麗青磁シリーズも、まず高麗青磁のストーリーを探り、そこからアイデアを得ました。翡翠が非常に貴重で高価だった時代、翡翠に似た代替素材を探していたところ、翡翠に最も近い青く輝き、硬い青い陶器を土で作るようになったそうです。 そうして翡翠の代わりに使われるために作られた青い陶器が受け継がれ、高麗時代には美しい文様が施された青い陶器、すなわち高麗青磁が生まれたのです。このようなストーリーを見て、私は「3世紀に翡翠の代わりに土を使ったのなら、21世紀には土の代わりにどのような素材を使えるだろうか?」と、連想を巡らせていきます。

そこで、「21世紀には、毎日持ち歩けるように割れない高麗青磁を作ってみよう」という結論に至ったのです。キラキラと輝き、硬い素材を模索していたところ、ケースを思いつきました。このように、ミミダルは文化財が持つストーリーを製品に溶け込ませるために努力しています。それが独自の差別化になるのではないかと考えています。
E代表のお話を聞きながら、「想像力を大いに必要とする作業なんだな」と思いました。一方で、伝統を現代化していく中で、ハン・サンミ代表が お悩みになっている点にはどのようなものがあるのでしょうか?
デザイン作業を行う際、伝統を変形させる時に最も悩みます。伝統的なデザインをそのまま取り入れて現代の製品に当てはめると、少しやりすぎになることもあります。そこでミミダルの感性を加えて新たにデザインするのですが、この過程で伝統の姿を大きく変形させると、「うっかり伝統を損なってしまうのではないか?」という考えが浮かぶことがあります。私自身も常に注意を払いながら、その接点を探り続けている最中です。


丹青傘と丹青傘の制作過程
最近クラウドファンディングを行った丹青傘は、丹青の文様をアレンジしてデザイン作業を行い、丹青職人の先生に直接お見せしてフィードバックをいただきました。考証とは言えないかもしれませんが、丹青の価値を損なうことなく、美しさを保てるバランスを見つけるための努力でした。
E代表が、ご自身が重要だと考える価値観を守りながら製品を作り上げていく姿は、本当に素晴らしいと思います。ミミダルへのファン心がさらに強くなりましたね。(笑)今後、ミミダルとハン・サンミ代表はどのように成長していくのでしょうか?

最近BTSのメンバーが高麗青磁のケースを使っている姿が公開され、国内だけでなく海外のファンの方々からも多くの連絡をいただきました。世界的にK-POPや韓国文化を広めておられるアーティストの方々が、韓国の伝統を広めようとするミミダルの歩みに寄り添ってくださったようで、大変感謝しており、光栄に思っています。
今回のきっかけを通じて、当初の計画より1四半期前倒しで海外販売を開始することになりました。これからはミミダルのホームページからも海外からの購入や海外への配送が可能になりました。そして、高麗青磁ケースが予想以上の成功を収めたことで、さらに頑張らなければならないという決意とともに、新製品に対する責任感も重くなりました。高麗青磁ケースをさらに発展させ、ミミダルの色合いをより加味した新しい「高麗青磁ジャカードバッグ」を発売する予定です。今後、ミミダルは韓国の伝統を大衆化する先頭に立つブランドになりたいと考えています。
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