[フード] 大手ブランド「農心」、新製品のテストベッドとしてクラウドファンディングを選んだ理由

誰かの「初めて」――世の中に存在しなかった市場に挑戦するブランドにとって、これは恐ろしく、途方に暮れるような言葉になります。0から1を見つけ、無から有を生み出す長い旅の第一歩を踏み出さなければならないからです。 しかしここに、不安を確信に変えるために仮説を検証しながら製品を開発し、世にない乾燥食材市場を切り拓いたメイカーがいます。この世のすべての「料理が面倒」な人たちに捧げる、超手軽な未来型食材。大手ブランド「農心」のメイカーの物語をご紹介します。
世に類を見ない超手軽な食材、
「シムプレート」をご紹介します
(左からチョン・ジェハ課長(リーダー)、アン・セウン代理、チョ・ウンソン課長)
こんにちは。農心のシムプレートチームのリーダー、チョン・ジェハです。まず、私たちのチームは、より多くの方々が手軽で楽しく料理を楽しめるよう、「シムプレート」という新製品を企画・開発しました。シムプレート(simplate)は、手軽な(simple)一食の料理(plate)を意味する言葉で、より手軽で楽しい料理文化を目指す農心の想いが込められたブランドです。昨年、wadizでのクラウドファンディングで初めて製品を紹介し、最近正式にローンチを終え、現在はシムプレートをより広く知ってもらうことに注力しています。
▶ 農心のメイカーによるクラウドファンディングについて知りたい方は?
シムプレートはカテゴリーで言えば「手軽な乾燥食材」に属します。その出発点は、農心の主力製品であり代表的な乾燥食品であるラーメンでした。 ある日、ラーメンをじっくり見てみると、常温で数ヶ月置いておいても、いつでも取り出して食べられる製品だということでした。このように便利な乾燥食品を食材にも応用できないだろうか、そうすれば買い物・下ごしらえ・ゴミ処理といった面倒な工程が一気に解決できるのではないかと思ったのです。
そうしてアイデアを思いつき、料理はしたいけれど上記のような工程が面倒で躊躇してしまう方々のために開発を始めました。乾燥食品であるため、時間や場所を問わず、自宅やキャンプ、旅行先で料理をしたい時に自由に活用できる製品としてです。そうして誕生した「シンプレート」は、水に10分ほど戻すだけで食材本来の味と食感がそのまま蘇り、様々な料理に活用しやすいです。 サポーターの方々の言葉を借りれば、「未来型食材」とも呼べるかもしれませんね。(笑)
クラウドファンディングに挑んだ農心、
皆さん、その理由を気にしていましたね

新製品である「シムプレート」を、既存の農心の顧客ではなく、MZ世代やアーリーアダプターの方々に真っ先に披露し、製品をテストしてみたかったんです。シムプレートは、農心ではこれまで一度も発売したことのない製品です。手軽な食材市場自体も存在していませんでしたし。世の中にない製品を新しい方々に体験してもらい、その反応を見てみたいと思い、クラウドファンディングに挑戦することになりました。
wadizはすでに、様々なブランドのテストベッドとしての役割も果たしていますよね。500万人の会員の方々に製品を紹介でき、またその方々とコミュニケーションを取れる機能が充実しているプラットフォームでもあります。そうした点から、「シムプレート」もクラウドファンディングで試してみて、有意義な成果が得られるだろうと考え、wadizで初めて製品を公開することになりました。
市場が求める製品、
十分な事前調査が土台となりました

アイデアは私たちから出たものでしたが、結局のところ、市場が必要とする製品を作ることが最も重要だと考えています。そこで、メインターゲット(20~30代、単身世帯、社会人1年目)とサブターゲット(主婦、キャンプ愛好家)を対象に、オンライン・オフラインでのインタビューを継続的に実施しました。「料理をすると、こうした部分に問題があるだろう」という仮説を立て、その仮説を検証していく形で消費者調査を進めました。
そのほとんどが、私たちが予想していた結果と一致しました。実際、多くの方が食材の下ごしらえや保存に関して、非常に不便さを感じていらっしゃいました。それでも、料理は続けたいとおっしゃっていました。インタビューをしてみると、家にいる時間にすべての食事をデリバリーで済ませることを、自己価値が下がる行為だとお考えのようでした。 簡単な目玉焼きやミールキットでさえ、MZ世代は「料理」だと考えているため、たとえそれだけでも自分で作って食べることに意味を見出しているのです。料理の概念は広がったものの、いざ料理に必要な付随的な部分は依然として不便なままであったわけです。私たちはそうしたペインポイント(Pain Point)を的確に捉えられたのだと思います。
wadizで「億単位のクラウドファンディング」を記録し
仮説を証明しました

「シムプレート」で2回のクラウドファンディングを実施し、1回目は約1,000箱の生産を目標にしていました。ところが、20分で完売してしまったんです。 本当に驚くと同時に感謝の気持ちでいっぱいになり、第2回のクラウドファンディングでは数量限定販売ではなく、期間中のすべての注文を受け付けました。その際、2,000名を超えるサポーターの方々が参加してくださり、1億以上の資金を集めることができました。

クラウドファンディングを通じて、この製品が新たな市場を創出できるか、サポーターの皆様に受け入れられる製品なのかを検証したいという思いが最も大きかったんです。市場の反応が良ければ、正式なローンチも検討していました。そのため、クラウドファンディング後の結果では、多くの方々が製品の必要性に共感してくださり、私たちが立てた仮説を的確に指摘してくださったおかげで、有意義な結果を得ることができました。サポーターの皆様の高い満足度や、コミュニティ内のレビューやコメントを通じて、仮説を目に見える結果として証明することができました。
その結果、昨年11月に「シムプレート」が正式にローンチされ、世に出ることになりました。wadizでのクラウドファンディングが決定的な役割を果たしたと言えます。すでにクラウドファンディングを通じて製品を体験された方も増え、ブランドの認知度も自然と向上しました。他の流通業者から出店に関する問い合わせも寄せられるなど、様々な形で口コミが広がったようで、私たちとしては大きな収穫があったと考えています。
世の中にない挑戦として踏み出した
より良い世界に向けた第一歩

シムプレートのように市場自体が形成されていない場合、すべてが初めてのことなので不慣れで不安になるかもしれませんが、 一方でうまくいけば「ブルーオーシャン」になるわけですよね。こう考えると、機会という観点からすべてを見渡せるようになります。新しい市場を自分自身が作り出せるという自信も湧いてきますし。似たような例として、昔のラーメンも、それまで存在しなかった市場で初めて登場した製品でしたから。 最近のミールキットもそうです。これらの製品が市場を形成し、多くの人々に愛されているように、世の中にない挑戦によって、より良い世界を作ることができると思います。
ただ、やみくもに「新しい製品だ」と押し通すだけではいけませんよね?(笑)私たちのように、クラウドファンディングで新製品を試してみたいと考えているメイカー志望の方がいらっしゃるなら、製品とそれにふさわしいメッセージをあらかじめ決めて、クラウドファンディングに挑戦してみてほしいと思います。wadizには、メイカーが自由にストーリーを書けるというメリットがあります。だからこそ、「私たちの製品はこういう点が良い」と単に自慢するだけでなく、サポーターの皆さんに「こういう点が必要ではありませんか?」といったように、共感を得られるようなメッセージを表現できるのです。
また、クラウドファンディングは信頼が基盤となるため、新製品を実際に作り出す能力や、サポーターの皆様が実物を受け取るまでの制作スケジュールなどを入念に確認した上で、挑戦していただきたいです。こうした部分までしっかりと整えておけば、サポーターとのコミュニケーションと信頼の両方を得られる、信頼できる成功プロジェクトを作り上げることができるでしょう。
文:ハン・ジヘ
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